モーフォロジカル分析/形態要素分析
モーフォロジカル分析/形態要素分析
モーフォロジカル分析/形態要素分析とは?
1942年に天文物理学者/宇宙学の教授だったカリフォルニア工科大学のフリッツ・ズィッキー氏 (Fritz Zwicky/米) がエアロ・ジェット社で考案した分析法。別名ストラクチャー分析とも呼ばれる。
モホロジー (形態学) を基礎とした発想法で、ひとつのアイデアはいくつかの要因が合成されて生まれてきたものだ、という考え方がベースにある。
モーフォロジカル分析/形態要素分析の特徴
まず解決すべき問題ないし対象物を、いくつかの構成要素の組み合わせとして捉える。
それぞれの構成要素を、独立変数と呼び、その上で、それらの構成要素を組み合わせた形態分析表を作る。n個の要素があればn次元の表になる。この形態分析表に従って、要素の組み合わせの一つ一つをつぶしながら検討していく。
例えば、「ある物を動力の付いた運搬具によって、ある場所から他の場所へ移動させる方法」 という課題の場合には、独立変数が3つある。
(1) 使われる運搬具のタイプ
(2) 運搬具が移動する際の媒介物
(3) 動力源
これらの3つの要素の組み合わせによって、あらゆる可能な方法を検討する。
解決すべき課題や検討する対象を、いくつかの構成要素に分解し、その要素ごとに可能な変化 (独立変数) を洗い出し、要素間の組み合わせて新しいアイデアを発想していく。
例えば、ズイッキーは、ジェットエンジン開発に当たって、次のように要因を分析した。
要因 1 : 周囲の媒体 - 1.真空 2.大気 3.水 4.地球内部の固い地質層 5.氷 6.雪
要因 2 : 推進燃料の作動のタイプ - 1.静止 2.移動 3.振動 4.回転
要因 3 : 推進燃料の物理的状態 - 1.ガス状 2.液体 3.固形
要因 4 : 加速推進装置 - 1.なし 2.内蔵 3.外部装置
要因 5 : 推進燃料に必要な酸素 - 1.燃料に含む 2.外部の空気と燃料の接触,3.外部の空気と化学薬品の接触
要因 6 : 燃料注入方式 - 1.継続的 2.断続的
モーフォロジカル分析/形態要素分析の進め方
1. テーマを決定する。
2. テーマの解決に関係のありそうな要素 (独立変数) と思われるものを列挙する。
3. 洗い出した要素を、同類毎にグルーピングする。
4. 更にグルーピングして、大グループにまとめていく。
5. 各要因内の各独立変数もグルーピングし、いくつかのサブグループに整理しておく。
6. 要因別にコンポーネントの組み合わせを一覧できるように整理する。
モーフォロジカル分析/形態要素分析のポイント
○ テーマの構成要素が的確に整理されているかどうか
○ 構成要素内の独立変数が、現実性や技術的可能性にこだわらず洗い出せたかどうか
○ 3. コンポーネントの組み合わせを検討するとき、現実的な可能性だけでなく、どうすれば可能にできるか?という視点から、多角的に発想できるかどうか
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