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タイ自動車産業の行方

タイ自動車産業におけるエコカー実売台数(2014年1~3月)



タイ国のエコカー制度

タイの 「エコカー」 はBOI (タイ投資委員会) が中心となって認定する制度で、「エコカー制度」 は、最初は組立メーカに対する税制優遇を図る内容からスタートした。

第一次 「エコカー制度」 は、2007年に始まったもので、排気量1,300cc以下のガソリン車を対象とし、燃費は1リットルで20キロ以上、欧州排ガス規制 「ユーロ4」 を満たすこと、5年目以降の年産台数を10万台以上とする、などの要件が付けられた。「エコカー」 認定組立メーカに対しては8年間の法人税免除の優遇措置がとられた。また、タイの 「エコカー」 には、購入者 (消費者) 向けとして、物品税率を 「17%」 とする優遇措置 (2009年6月閣議決定) が定められた (2009年10月から実施)。

第一次 エコカー制度では、日産自動車 「マーチ/March」 「アルメーラ/Almera」、ホンダ 「ブリオ/Brio Amaze」、三菱自動車 「ミラージュ/Mirage」 「アトラージュ/Attrage」、スズキ 「スイフト/Swift」、トヨタ 「ヤリス/Yaris (エコカー認定、新型)」 の7モデルが 「エコカー認定」 を受けた。

日産自動車の 「マーチ」 がタイのエコカー認定モデル第一号で、2009年に認定され、2010年の前半から生産が開始された。TAIA月次生産台数データでは 「マーチ」 以降、スズキ 「スイフト」 (2012年3月から生産開始)、三菱自動車 「ミラージュ」 (2012年4月から生産開始)。ホンダ 「ブリオ」、三菱自動車 「アトラージュ」、トヨタ 「ヤリス (エコカー認定モデル)」 は、2013年10月以降の生産・販売開始となっている。

タイ国の 「第二次 エコカー制度」

「第二次エコカー制度」 は、2014年4月、申込み状態が公表された。「第一次エコカー制度」 で認可を取得したトヨタ、ホンダ、日産自動車、三菱、スズキの 5社が再び応募。加えて、マツダ、米 GM、米フォード、独 VW、中国・上海汽車集団と地元財閥 CPグループ合弁会社 「上海汽車CP」 の 5社社が新たに申請を行った。

「第二次エコカー制度」 は、欧州排ガス規制 「ユーロ 5」 に対応し、燃費が燃料4・3リットルで走行距離 100キロ以上 (1リットル当たり 23・3キロ以上) の排気量 1,300cc以下のガソリン車もしくは 1,500cc以下のディーゼル車が対象で、2014年3月末までに申請し、2019年末までに生産を開始、生産を開始から 4年目以降、年間 10万台以上生産することが条件となる。投資額にも規定があり、第一次で認定を受けた組立メーカが生産を拡大する場合は 50億バーツ以上 (工場用地取得費、運転資金を除く)、初めて申請する場合は 65億バーツ以上の投資が要求される。認定を受けた事業は法人所得税が 6年間免除されるほか、設備・機械の輸入関税が免除される。タイの部品メーカの開発への投資もしくは支出が 5年間で 5億バーツ以上の場合は法人所得税免除がさらに 1年、8億バーツ以上の場合は さらに 2年延長される。第二次 「エコカー」 制度応募メーカに対する認可決定は 2014年内で出す予定 (2014年7月現在、進捗は不透明)。

消費者に対しては、乗用車にかかる物品税率を 14%にする予定 (第一次 「エコカー」 制度では 17%)。

存在感を増すタイのエコカー

2013年のタイでエコカー生産台数は 354,536台で、自動車生産全体の 14.4%を占めるまでになっている。

タイ国のエコカー生産台数(2013年)

2014年1月~3月、タイ国内市場で実売台数第一位となったトヨタ 「Yaris (新型)」 は 2013年10月以降での生産・販売開始したモデル (ハッチバックコンパトタイプ、日本でのモデル名 : Vitz) で、タイ政府が定める 「エコカー」 認定車として販売。

「Yaris (旧型 /新型)」の2013年でのタイ国内実売台数は 21,139台で 「乗用車」 市場の第10位 (通年) だったが、2013年10月以降、急速に販売を伸ばし、2014年1月~3月では 13,824台の実売で 「乗用車市場」 第一位になっている。

タイ自動車産業におけるエコカー実売台数(2014年1~3月)

タイ自動車産業におけるエコカー実売台数(2013年/2012年)

出典 : 『タイ自動車産業 2014 <ビジネスモデル編>』

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