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シネクティクス法/類推法

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シネクティクス法/類推法

シネクティクス法/類推法とは?

「シネクティクス」 とは、「異質なものを結びつけ統合する」 という意味のギリシア語。

ウィリアム・J・ゴードン氏により考案され、アメリカで開発された発想法。

シネクティクス法/類推法の特徴

問題とした 「問題」 が、実はある現象をとらえているに過ぎなく、別に本来の 「問題」 が潜んでいたということは少なからずあり得るケース。

「与えられた問題 (Problem as Given = PAG)」 を
「把握された問題(Problem as Understood = PAU)」 に
置換することで、真の問題を明らかにする必要性がある。

ゴードンは、シネクティクスのメカニズムとして 1. 異質馴化 making the strange familiar
2. 馴質異化 making the familiar strange
の2つを挙げている。

異質馴化とは,自分には全く未知のもの(領域)のことをヒントに自分の問題解決を着想すること。

馴質異化とは,既知のものを,新しい視点から見ることで新しい着想をえること。

新商品・新ビジネスの成功例には、一見関係のないものが結び合ったり、意外な発想の組み合わせになっていることが多い。

シネクティクス法ではまず、テーマを与え、それに類推を加えていくという方法をとるが、類推の方法として通常以下の3つのタイプがある。

・直接類推法 Direct Analogy
・主観類推法 Personal Analogy
・象徴類推法 Symbol Analogy

直接類推法は、直接的に似たものを探し出し、それをヒントにアイデアを結びつける方法。自然界・生物等にヒントを求めることが多い。

オットー・リリエンタールが鳥を観察してグライダーを考察したり、ボーイング社がフラップを工夫して高揚力翼を開発したのも、飛び立つときの鳥の羽からの直接類推法といえる。

主観類推法は、自分が対象の要素そのものになりきって、その視点から発想する方法。

主に商品開発や改良に利用されるが、サービス業の場合に、顧客になり切って考えてみるといった考え方も同様といえる。

象徴類推法は、問題を抽象化してシンボリックな視点から幅広く発想する。コトバの持つ意味を深くあるいは飛躍して考えてアイディアを得る。

シネクティクスは、日常的な努力を続ける中で、ふと外に出たり、家庭や街角などで突然飛躍することが多い。

シネクティクス法をさらに利用しやすくしたものに、NM法がある。

シネクティクス法/類推法の進め方

1. 課題を提示する

2. 専門家による問題分析
 専門領域についてメンバーにわかりやすく説明する。

3. 解決の試案を発想する
 思いつくままに、問題に対する大まかなアイデアを出し合って、問題の多面的な面に目を向けさせる。

4. 解決目標の明確化
 問題解決のポイントとなりそうなこと、キイワードとなると思われることをランダムに出し合い、問題の解決水準(どういう形で解決するか)を明確にする。
 ※ 例として、問題が「煙らない灰皿」なら、解決目標を「消すつどもまなくても済む」といったように設定する。

5. アナロジーによる発想を展開する
 シネクティクス法では,3つに整理した類比メカニズムを使う。
 直接的類比(Direct Analogy)/ 擬人的類比(Personal Analogy)/ 象徴的類比(Symbolic Analogy)

6. アナロジーの選択
 出てきたアイデアの中から,問題の解決に使えそうなものを選ぶ。

7. 選択したアナロジーをさらに,細かく検討し,ヒントとなりそうなものを探し出す。

8. 目標への適合。現実に使えるアイデアへと結びつける。

9. 解決案の作成。

シネクティクス法/類推法によるブレスト実施時のポイント

○ シネクティクス法では、リーダー・メンバー以外に、そのテーマの専門家を参加させることが多い。

シネクティクス法/類推法による展開例

テーマ : 「石油鉱床の含有量調査」 (ゴードンによる例示)

1. 問題の提示
 「石油鉱床の中の原油含有量をどう調べるか」

2. 専門家による問題分析
 「最も良い方法は,穴のあいたドリルで,岩盤の中心部からサンプルを切り出すやり方である」

3. 解決試案の発想 特になし。

4. 解決目標の設定
 「石油から,鉱床の岩の中ではどのように込み合っているか聞き出す」

5. 類比の発想
 「込み合った状態の例を探す」
 ・直接的類比 「牛の尻尾にとまった蝿」「他の生物に打ち勝つために増殖するヴィールス」
 ・擬人的類比 「ヴィールスになりきる…わたしはとても小さな生き物です。わたしは栓抜きみたいに渦巻き型をしています」
 ・象徴的類比 「ヴィールスのブックタイトルを『強迫的無関心』として,そのブックタイトルをもとにしてまた直接的類比を実施する」

6. 類比の選択
 「猫は無関心な動物です」

7. 類比の検討
 「猫でもたくさん群がると無関心さがなくなり,怒り出す」

8. 目標への適合化
 「何らかの方法で石油を凝集してやると,石油が反応」
 「石油は静かな状態にしないと石油らしくなくなる」
 「石油に窒素を送って凍らせる」

9. 解決案の作成 アイデアを現実化する方法を考える

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