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ゴードン法

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ゴードン法/gordon method

ゴードン法とは?

ウイリアム・ゴードン (William.J.J.Gordon) が、シンクタンクのアーサー・D・リトルで、新製品開発企画時にブレインストーミングをヒントに考案した発想法。

基本ルールはブレインストーミング法と同じ。

ゴードン法の特徴

ブレインストーミングでは、参加者に具体的な課題 (本来のテーマ) を提示するのに対し、ゴードン法では、最初に司会者だけが本来のテーマを把握しておき、第1フェーズでは参加者に対して具体的な課題を明示することなく、もっと幅の広い抽象的なテーマでブレストしていきます。

これは、参加メンバーが、狭い固定観念にとらわれることなく、より自由奔放に飛躍的に発想を拡げて、画期的な結論を導き出すための工夫とされています。

通常のブレストでは、理想的なアイディアや現実的なアイディアを一通り考え尽くした後で、アイディアの出てくる速度が遅くなることに気付いたゴードンは、この傾向を打破するために、会議の当初には本来の課題を提示せず、まず幅広くアイディアへのヒントを集め、それらを材料にして本題を考えるという方法に改変しました。

つまり、最初から本題をテーマとして提示した場合に、ブレストの参加者において、これまでの経験や知識から思考に制限がかかり、無意識の内に固定観念に捉われた狭い範囲でのアイディアに偏りがちになることを避けようとするために、二段階に分けてブレストを実施する手法になります。

(テーマの設定例)

「新しい洗剤を開発する」 ≪ 本来のテーマ
 ↓
「清潔」 ≪ 参加者に最初に提示される抽象的なテーマ

「新しい化粧品を企画する」 ≪ 本来のテーマ
 ↓
「魅せる」 ≪ 参加者に最初に提示される抽象的なテーマ

「新しい音響製品を開発する」 ≪ 本来のテーマ
 ↓
「思い出に残る」 ≪ 参加者に最初に提示される抽象的なテーマ

「新型ファミリーカー」 ≪ 本来のテーマ
 ↓
「家族で過ごす」 ≪ 参加者に最初に提示される抽象的なテーマ

「歯ブラシの改良」 ≪ 本来のテーマ
 ↓
「汚れを落とす」 ≪ 参加者に最初に提示される抽象的なテーマ

このように抽象的な課題のみを参加者に与えてブレインストーミングを進めることで、通常のブレストとは異なり、参加者を固定観念から離れさせて、自由に新しいアイデア・着想を幅広く出してもらいます。

ゴードン法の進め方

1. 司会者が課題を設定し、その課題をより抽象的な言葉に置き換える。

2. 置き換えた抽象的な言葉を、テーマとして参加者に発表する。

3. その言葉から、もっと便利に・快適に○○するにはどのような方法があるか、どのような物が欲しいか、どういった行動が連想されるか、などできるだけ広くブレストする。

4. 司会者は経過を見ながら、情報を少しずつ小出しにして、本来の課題へと近づけていく。

5. 参加者の意見やアイディア、着想などがある程度出尽くした頃合いを見計らって、司会者は本来の課題をはっきり提示する。

「実は今回は、今までに見たこともないユニークな新しい 『■■■』 を考え出していただくことが目的です。ここまで皆さんのおかげで、たくさんの幅広いアイディア、面白い奇抜な発想も出てきました。ここからは、それらのアイディアや意見の素材をヒントにして、今までに見たこともない、新しい 『■■■』 についてのアイディアを考えてみましょう。」

6. 第1フェーズで出た幅の広い指摘やアイディアの素材~視点をヒントに、第2フェーズとして、本題についての発想を進める。

ゴードン法によるブレスト実施時のポイント

□ 参加者に、課題を提示されないことへの心理的な抵抗感が生まれやすい。

□ 参加者の発言が、うまく本来の課題に結びついていくように、会議をリードしていく司会者としての高度な技量が要求される。協力的な良い雰囲気を作り出すことができれば参加者にとって特に難しいことはないが、司会者によるコントロールが必須。

※ ブレインストーミング法の発展系のため、上記以外の手順やポイントは、ブレインストーミングの項の記載を参照。

insight.PLANiDEA.jp
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